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コラム【原田圭悟の「子育て、日々余裕なし」vol.12】 2023年10月

コラム【原田圭悟の「子育て、日々余裕なし」vol.12】 2023年10月

だいぶ涼しくなってきました。朝晩は肌寒いくらいで、季節の変わる早さを実感しています。

さて、つみきやは日本保育学会という学会の会員になっています。最近は子どもたちが小さいこともあって出張を控えているのですが、以前は学会が行われる場所で出張販売も行ってきました。

会員になっていると、学会誌が送られてきます。結構論文を読むのは大変なので、興味のあるものだけ読んでいるのですが、とても面白い論文に出会ったので紹介したいと思います。

今の社会は、親が負担を感じながら子どもの遊び相手として「遊んであげてる」状態を普通と考え、遊び場支援など行政の支援メニューは「親の負担軽減」を目的に展開されているけど、親は常に遊んであげてるわけではなく、ポジティブに「自ら楽しんで主体的に子どもと遊ぶ」状態もあるのではないか、という著者の問題意識のもと研究されています。

私自身子どもと遊ぶことに負担を感じることもありますし、お店に来られるお客様を見ていると、とても楽しそうに一緒に遊んでいる方もいらっしゃいます。

この差はなんだろう、親自身が楽しめる、楽しめないという差はどこから来ているのだろう、というのは、おもちゃ屋としてもすごく興味のある問いでした。(「幼児と母親の親子遊びー母親が主体的な遊び手となることの意味ー」というタイトルですので、興味がある方は読まれてください。)

論文ではごっこ遊びが苦手な親は多いという研究もあって、親が「主体的に」遊んだ内容は、競争や挑戦という目的がはっきりした遊びという傾向があったそうです。(こんな話を父としていると、だからつみきやでは、一般的に小さな子の遊び相手が苦手なお父さんにアナログのゲームを進めてきたんだ、という話をしていました)

これも一つの結論だろうと思うのですが、この論文における私自身の面白さというか気づきは、親が多様な役割を求められることが自然であるという話です。親はいくつもの役割を求められます。教育者、お世話係、遊び相手、などなど全て1人の親が、ある時は教育者として善悪を教え、またある時は遊び相手として一緒に楽しむ存在でもあります。

それは、当たり前の話で、今回の研究では「お世話係」として子どもの遊ぶ環境を整えていた親が、自ら興味を示して子どもと対等に遊び始める様子が観察されていたりして、そのことをとてもポジティブに捉えているのです。

よくお店でも、お母さんが「私の方が楽しくなっちゃって」というフレーズを聞きます。なっちゃって、というあたりに「本来の」親としてのあるべき姿は「教育者」や「保護者」としてあるべきなのに、という前提があるのだと思うのですが、多様な役割を子どもと共有することはとても良いことなのだと思うのです。

振り返って自分自身を考えてみると、子どもにとっては親は「一貫性」が大事らしい、という話を聞いたことがあり、いつも同じような態度であることが重要なのではないか、と考えている節がありました。

しかし、ある場面では叱っても、違う場面では一緒に楽しんだりすることは極めて自然であり、親が多様な役割を子どもと共有することがあっていいんだ、と何か心が大変軽くなった気がしたのです。とまあ、毎日姉妹喧嘩に翻弄され怒りまくっている自分を慰めてみたりしています。

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