おもちゃの旅:ヨーロッパ 2017 vol.2 フィンランド
今回の訪欧で2社目の訪問先はユシラ社(フィンランド)です。
創業90年以上の歴史あるおもちゃメーカーで、当店では
カラームカデ、コリントゲーム、丸スズなどを取り扱っています。
ユシラ社は首都ヘルシンキから北に約300kmのところに位置する
人口15万人程の街、ユバスキュラにあります。
ヘルシンキから電車で揺られること3時間半、ユバスキュラ駅に着くと
サボさんが駅まで迎えに来てくださいました。
(サボさんは4代目のユシラ社長のご主人で販売を担当しています。)
気温は-5度。道路も凍る寒さです。
しかし、サボさんはしきりに今年は暖冬で冬の感じがしない、
今日もすごく暖かくて来るのに良い日だったとおっしゃいます。
ユバスキュラの冬は頻繁に-15~20度くらいまで寒くなるそうなので、
確かにそれと比べると暖かいのですが、福岡人からすると-5度は極寒です。
工場に着くと歴史のある企業らしく過去の製品がたくさん展示してあります。
その中でも私が気になったのはコリントゲーム。
コリントゲームは私が3歳すぎに遊び始めて、
遊んでいるうちに知らない間に学ぶということを経験したゲームでした。
3歳上の兄のために用意されたものだったと思いますが、
このゲームにはずーっと夢中になっていました。
このゲームの一番低い点数は10点なのですが、10点の穴に入れるのが
一番難しいと感じた私は、ボードに油性マジックで1,000,000と
書き入れました。店でのサンプルとして使うために父に消されましたが
完全に消せておらず(油性ですから!)そのあとが今でも残っています。
撮っておいた跡の写真をサボさんとユシラ社長にお見せしたところ
とても喜んでおられ、私も大変うれしい気持ちになりました。
コリントゲームの点数は25の倍数が基本となっています。
100の半分の半分という基本単位をひたすら計算し続けたおかげで
算数はずっと得意科目でした。
その後の高校数学では完全においていかれることになりますが、
自分は計算が得意だという妙な自信はその後の人生で
役に立っているように思います。
ユシラ社の工場の裏には端材などを燃やして発電する設備があり、
その燃えカスは地域の園芸愛好家が肥料として利用する仕組みになっているそうです。
美しいデザインで長年世界中の子供たちの心をつかんできたユシラ社は
地域に根差した良い会社でもあることを知った訪問でした。
原田圭悟