4月のおすすめ絵本
ぞうのババールシリーズの、はじまりのお話です。
ババールは、お母さんのもとですくすく育ちますが、ある時森で、狩人から襲われてしまいます。
必死に逃げてたどり着いたところは、人間の街。
街で、ぞうの気持ちなら何でもわかるおばあさんに出会います。
ババールは、おばあさんの助けを得て、何不自由なく暮らします。
ですが心は寂しさでいっぱいでした。
2年経ったある日、ずっと会いたかったいとこたちが街へやってきます。
おばあさんと別れるのは名残惜しいけれど、ババールはぞうの国へ帰ることにしました。
一方ぞうの国では、王様が亡くなってしまいます。
そこへ帰ってきたババールといとこたち。
ババールは、そしてぞうの国はどうなるのでしょう。
子どもたちは、ババールのしていることを、ワクワクして見ることでしょう。
定規で引いたようなきっちりした線ではない、ゆるやかな描き方なので、動きがあって心が和みます。
そして無表情ともとれる目の”点”が、かえって愛嬌があっておかしくなります。
例えばデパートのエレベーターの場面では、表情には出ていませんが、「ふふふ面白い!」と、ババールの心が笑っているように感じます。
なにせ10ぺんも上り降りするのですから、相当楽しかったんだろうと思われますし、店員の気も知らず呑気に見えるのが面白いのです。
最後は、しっとりと幸せのうちに終わります。
ババールの世界へ惹き込まれてしまいますよ。
「ぞうのババール こどものころのおはなし」
ジャン・ド・ブリュノフ 作
やがわすみこ 訳
評論社 1400円+税 5才〜