創業者でオーナーの原田隆が「思い出のおもちゃたち」というテーマで不定期のコラムを書きます。(前回記事 vol.3 がらがら、おしゃぶり、引っぱり玩具はこちら)
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まだおもちゃの仕事を始める前、親友の長男の誕生祝いに木のトラックをプレゼントしました。
おしゃれな子ども服店(福岡の赤い風船という店だった?)で買った記憶があります。たしか、デュシマのトラックだったのではないかと思います。
この記事を書いているときにタイミング良く、千葉のその友人と会う機会があったので、この話をしたらまだそのトラックは残っているということで写真を撮ってくれました。45年前のトレーラーです。
1986年のニキティキカタログ第1号が発行された時点では、すでにこのトラックは掲載されておらず、生産も終了していたようです。
窓の穴が2カ所あるのでよく見るとキャビンがカタログ掲載のものより長いことが分かります。キャビンというより全体が長いですね。細かなところでコストダウンしていることが分かります。
デュシマの「サーカスワゴン」とそのバリエーション
トレーラーを継承しているのが「サーカスワゴン」。動物を載せた檻が荷台に載っている、印象的なトラックです。
NIKITIKI カタログ No.07 | ニキティキ デジタルカタログ
このシリーズのトレーラータイプはコンテナやタンクローリーなどのバリエーションも展開されました。
青いキャビンのDトラックが基本形でその荷台をとれば、トレーラーのトラックターに変身します。
とくにサーカスワゴンは他社に似たものがなかったため、よく販売しました。
のちにトレーラータイプが廃番となり、基本のトラックだけが残りましたが、2018年発行の13号からはその姿も消え、デュシマのトラックはついになくなりました。
ケラー──角から丸への変化
ケラーは木の車を多く製作してきたブランドです。
カタログ1号が出る少し前に、ケラー車のデザインに大きな変化がありました。角ばっていたフォルムが、丸みを帯びてやさしくなっていきます。
代表作ともいえるPKWは、その丸みの象徴。(PKWについては後日書くかもしれません)
カタログ2号では角型と丸型のLKW(トラック)が並びますが、3号にはもう角型は姿を消し、やがて2人のりミニバンに引き継がれていきます。
NIKITIKI カタログ No.02 | ニキティキ デジタルカタログ
また、私がニキティキに勤めていた頃に息子に贈った「ケラーのトランスポーター」は、その角形トラックで、付属の車はまるでポルシェのように滑らかで格好良い車でした。

大型のトラックでは、カタログ11〜13号に載っていた「Kダンプカー」も印象的。ややケラーらしからぬデザインでしたが、大きさの割に価格が手頃で人気がありました。
NIKITIKI カタログ No.11 | ニキティキ デジタルカタログ
ジーナ──短命だったけれど愛された一台
ジーナはあまり車系のおもちゃを作っていませんでしたが、「ハイウェイトラック」は秀逸でした。
カタログ6号から10号まで掲載されていたこのトラックは、手頃な大きさで荷台も大きく、色合いもカラフル。とてもオススメできる一台でした。
NIKITIKI カタログ No.07 | ニキティキ デジタルカタログ
ただ、残念ながら長くは続かず、やがて消えてしまいました。もっと続いてほしかった製品のひとつです。
上記の2人のりミニバンもとうとう生産中止になったようで手頃な大きさの私好みの木のトラックはとうとう全滅してしまいました。
