原田圭悟のブログ vol.8 玩具を通したあそびの研究会を終えて
こんにちは、原田圭悟です。
4-29にSaticleさんとの共催イベントとして、「玩具を通したあそびの研究会」を行いました。
こんなご時世ですので、少人数で気を配りながらの開催でしたが、ご参加いただいた方ありがとうございました。
今回はカプラをテーマに、子どもたちはどんな風に遊んでいて、その遊びはどんなふうに変化していくのか、皆さんと話したり、実際に作ったりしました。
保育の現場などで、実際に普段のお仕事でカプラを使っていらっしゃる方も多く、たくさんの作品例を出していただきました。
その後、出てきた遊びがどんな風に変化していくのか、話し合う時間を持ちました。
参加された皆さんにとって、あそびの知恵のようなものが一つでも得ることができたら嬉しいです。
今回のような研究会を僕はずっとやりたいなぁ、と思ってきました。
きっかけはお店に来る保育士の方のお話です。保育士の方がお店に来て、普段の保育の現場で使われているおもちゃを発見すると、どんな遊びが行われているのか話してくださいます。
おもちゃ屋にとっては、とてもとても貴重な話で、「なるほど、そんな風に使われているんだ」という気づきを得る場面でもあります。
一方、色々な保育士さんの話を聞いていると、どうもそれぞれの保育士さんが持っているあそびの知恵はだいぶ違っているぞ、と気づきます。園にあるおもちゃも違うし、それぞれの園に方針もありますし、一人一人の保育士さんが経験する遊びは違って当然です。
ただ、もし他の保育士さんや他の園で行われている遊びを知ったらどうでしょう。
ちょっと「あそびの達人度」みたいなものが上がる気がします。
子どもが遊んでいる様子を見るとき、
「何をしようとしているか」
「この先どんな遊びに変化していく可能性があるのか」
といった観察力や見通しを持っているかどうかは、その子のあそびが豊かになるかどうかに決定的に関わってくる、と僕は思っています。
そんな観察力や見通し力をレベルアップさせるために、いろんな方がそれぞれ知っている遊びを共有する場を作れたらな、と考えていたのです。おもちゃ屋にとっても、それは深い大切な学びの場となります。
とはいえ、ネットワーキング的なことが苦手な自分にとって、なかなか話を前に進めることができていませんでした。そこで、今回は強力な助っ人Saticleさんにご協力いただいて開催まで漕ぎ着けることができました!
(Saticleさんは、元保育士のお二人が創業した会社で、園と保育士志望の学生さんのマッチングをしたり、子育てを取り巻く環境をよりよくする活動をされています。)
今回、ある程度知名度があるおもちゃにしようと思い、カプラを選びました。
・積み木ではあるけど、なめたり、叩いたりという時期もあるよね。
・平面的に並べることから、立体的な構造に変化していくようだ。
・ドミノ倒しとか、ビー玉転がしとかの材料としても使われているね。
・何か具体的なものをイメージして作り出すのってどのくらいの時期からかな。
参加された方のお話を聞いていると、その一つ一つが素晴らしい気づきなんじゃないか、と感じました。
特に、答えはないし、あそびの見通しを知って、その通りに導くことが目的でもありません。
でも、あーだこーだ言いながら、なんとなくこんなふうにあそびが変化していっているのかな、と参加されたかたそれぞれが考えること自体が、明日からの保育の現場や子育てに活かすことができるのではないかと思います。
今回は、親御さん、保育士さん、幼稚園の先生、発達をご専門とする大学の先生、放課後等デイサービスの先生などなど多様な立場の方が参加されました。普段の自分とは違う環境の方が、同じテーマで話すことでさまざまな気づきが得られたかと思います。
初めての開催で色々と改善の余地もあるかと思います。今回は様々なバックグランドの方が、同じおもちゃについて語り合う場としましたが、違う方法も十分考えられます。
例えば、おもちゃをテーマにするのではなく年齢をテーマにする、とか
保育士の方を対象にしてみる、とか
「集団あそび」のようにあそびの種類をテーマにする、とか
さまざまな形が考えられます。
色々な試行錯誤をしながら、保育士や幼稚園の先生にとっては明日からの仕事に活かせる知恵が、親御さんにとっても明日からの子育てに活かせる知恵が生まれる場を模索していきたいなと思っています。