絵本を考える会 2016・6月の結果報告
6月10日(金)に開催した「絵本を考える会」には大人の方2名にご参加頂き、盛況のうちに終了しました。ありがとうございました。
今回は「ひとまねこざる」シリーズ(作・絵 H.A.レイ)をテーマに、講師の井上良子さん(子どもの本や主宰)にその魅力についてお話し頂きました。
「ひとまねこざる」とは黄色い帽子のおじさんによってアフリカから大都市ニューヨークに連れて来られた、「じょーじ」という名前の知りたがりやで人の真似をしてあれこれやるのが大好きなおさるのお話です。
「根底に描かれているのは子どもらしい好奇心。好奇心は創造の源であり、創造力を持った子どもになってほしいという作者の願いと愛情がこのじょーじの物語には込められています」と井上さん。
しかし、好奇心が旺盛であればあるほど、失敗はつきもの。じょーじもたくさんの失敗をします。井上さんはその点について「失敗をしてもそれを周囲の大人が頭ごなしに叱ったりはせず、きちんと叱っています。それはじょーじのことを子ども扱いしないで、認めているからこそ出来ることです。また、失敗は知らないから失敗するのであって失敗自体は悪いことではありません。そのことがじょーじの世界では描かれています」とおっしゃっていました。
その通りだと私も思います。失敗を恐れては何も出来ません。多くの失敗をして人は成長していきます。子どもが安心して失敗できる世の中を作っていくのが大人の役割なんだと考えさせられました。
その他にも井上さんには貴重なお話を色々として頂きました。参加者の方からも様々な意見が飛び交い、非常に有意義な会でした。「今日は来てよかった」と嬉しい感想も頂きました。
「絵本を考える会」では毎回とても良いお話が聞けます。次回も開催を予定していますので、ぜひご参加頂ければと思います。詳細はまた決まり次第、ご報告させて頂きます。
スタッフ 津村