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おもちゃの旅:ヨーロッパ 2017 vol.1 エストニア

こんにちは、原田圭悟です。 先月ヨーロッパを訪れる機会があり、取引先を3社訪問しました。 海外からの輸入品が中心の当店ではメーカーの方と直接会えるのは とても貴重なチャンスなのです。 訪問した3社それぞれについて紹介させていただきます。 まずは、ブレイニーバンド社です。 ハリーカウントピザ屋さんなどの数字的要素のあるゲームメーカーです。 訪問したのはエストニアのタリン。 エストニアは人口134万人、九州より少し広い面積の国です。 元大関バルト関の出身国で空港に写真が載っていました! エストニアに行くのは初めてでエストニア人の方と話した経験もありません。 少しドキドキしながら空港で出迎えてくれたアントン社長とお会いしました。 まずびっくりしたことが、なんとアントン社長はロシア人だということ。 てっきりエストニア人によるエストニアの会社だと思っていたら、 本社はロシアにあり、国際的な取引のしやすさを考えてエストニアに 子会社を設立したんだそうです。 そんなアントン社長とタリンの旧市街(世界遺産に登録されていて とても雰囲気のいい街です!)を歩きながら会社のこと、 ゲームのこといろいろお聞きしました。 ブレイニーバンド社は同じくロシア人のセルゲイさんとアントンさんが作った会社で セルゲイさんの現在8歳になる息子さんがゲーム開発のきっかけだそうです。 当時4歳だった息子さんが数をかぞえることに少しつまづいていて、 何とか面白く学ぶ方法がないかセルゲイさんは考えました。 心理学の素養があり、ビジネスコーチングを当時仕事としていた バックグランドをフル活用してハリーカウントなどのゲームが出来ました。 そこにはロシアの暗記型の教育に対する危機意識があったそうです。 ロシアの教育は詰め込み型の要素が強く、楽しく学ぶという発想がないため 一度つまずくとなかなかついていきにくくなる、とのことでした。 ブレイニーバンド社は現在までに20近くの商品を発売しています。 その多くは息子さんの成長に合わせ、その段階に応じたゲームを考案しています。 現在のところ数学的要素の強いゲームが多いですが、楽しく学べることに 価値をおきながら多様なゲーム作りを目指しているそうです。 アントンさんの話を聞きながら日本も似たような状況かもしれないなと考えていました。 受動的でなく能動的・主体的な姿勢が重要であると叫ばれながら なかなか今までの教育を変えることは簡単ではありません。 あまりに教育的要素が強いゲームだとそれはもうお勉強だと思いますが、 楽しくて夢中になる時間のうちに学べることは多くあります。 ブレイニーバンド社のゲームはその塩梅が丁度よく、 ゲームとして楽しいことを前提にしながら教育的価値がある製品です。 話はそれますが、暗記=すべてダメ、というわけではなく要はバランスの問題だと思います。 ロシアの教育と聞いて私が思い浮かべたのは米原万理さんでした。 お亡くなりになりましたがロシア語通訳として活躍され、 著書はどれもユーモアと愛情にあふれた面白いものでした。 (嘘つきアーニャの真っ赤な真実が私のイチオシです。) 正確にはソビエト学校の教育を受けた経験のある米原さんですが、 膨大な読書量と内容を相手に理解させるために伝える力を要求されることを ソビエト学校の教育の特徴として挙げられていました。 覚えることを基礎にしながら、論理的に話を組み立てていく能動的な力も 重要な要素と考えられているのだと思います。 さて、旧市街を歩いた後、車で10分程度のところにあるオフィスに移動しました。 ブレイニーバンド社はまだ設立から5年たっていない若い会社ですが、 すでに20か国以上に商品を輸出しています。 各国の言語での説明書が必要で在庫の管理も大変そうでした。 これからますます活躍の場が広がっていきそうです。

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