5月のおすすめ絵本
小石集めが大好きなシルベスターは、夏休みのある雨の日に、燃えるように赤く光っている小石を見つけます。
シルベスターは、小石があんまり素敵だったので我を忘れていましたが、急に雨を冷たく感じたので、「雨がやんでくれたら、なぁ」と言うと、驚いたことにぴたりと雨が止んだのです。
シルベスターは、これは魔法の石だと悟ります。そして、魔法の石を発見したことを喜び、お父さん、お母さんのみならず、親類や友達みんなに好きなことをさせてあげようと思います。
ところが家路を急ぎ、いちご山を越えるところで、お腹をすかせたライオンに出くわします。
慌てふためいたシルベスターは、とっさに自分を岩にしてしまったのです。
元の姿に戻るためには、誰かがあの赤い小石に触れて、隣の岩よ、ロバになれとでも言わなければいけません。
一方シルベスターのお父さん、お母さんは、晩ごはんに帰らなかったことなどなかった息子が、いなくなってしまったことに嘆き悲しみ、手を尽くして探しましたが見つかりませんでした。
季節は秋、冬と移り行きます。
そして5月のある日、二人は息子がいなくても元気を出して暮らそうと、いちご山へピクニックに出かけることにしました。
いちご山のあの岩のあるところへ!
この後の展開は、ぜひ絵本を手にして味わってください。
シルベスターのもどかしい気持ち、両親の熱い想いに心打たれることでしょう。
あなたは、あの赤い魔法の小石に何を望みますか?
「ロバのシルベスターとまほうの小石」
ウィリアム・スタイグ 作
せたていじ 訳
評論社 1,300円+税 5才〜