6月のおすすめ絵本
文を生み出したルース・クラウスさんも、絵を描いたモーリス・センダックさんも、子どもの心を持った素敵な方たちなんだろうなと思います。
なぜなら”現実にないことを思い浮かべる”ことに長けている子どもたちの気持ちがわかるからです。
主人公の男の子がどんな子なのか、といった現実的な説明は一切なく、ただわかるのは、想像力豊かに空想できる子というだけ。
空想は、冒頭から始まります。
おふろばをそらいろにぬりたいな。
そう思ったのは、前に揺り椅子を空色に塗ったことがあるから。
そこから様々に想いが膨らんでいきます。
”あたりまえ”や”普通(常識)”を基準にしがちな人には、ついていくのが難しいかも知れません。
でも、「いろいろあって、いいんじゃない?」「面白いね」と受け止められる人には、楽しい絵本だと思います。
自由に想像することで、まだまだ知らないこと、作り出せることがたくさんあると思えたら、世の中への希望が湧くと思うんです。
子どもたちには、ぜひ、そんな前向きな心持ちでいられるこの絵本をお薦めします。
「おふろばを そらいろに ぬりたいな」
ルース・クラウス 文
モーリス・センダック 絵
大岡信 訳
岩波書店 840円+税 4才〜