7月のおすすめ絵本
度が過ぎた遊びだったから、マックスはお母さんから寝室へ放り込まれた。
マックスはその部屋を、森や野原に変え、波を出し、船を運んで来て冒険をはじめます。
さて、どんな冒険になるのでしょう。
文章は少なく、そのかわり、絵で語っているのでわかります。
例えば、”おおあばれ”している階段の壁には、一枚の絵が。
マックスの頭の中には、すでに怪獣の世界があるのですね。
子どもが一人遊びをしている時、その子の頭の中に、現実とは違うもう一つの、その子の世界が繰り広げられています。
そんな子たちには、この絵本はとても面白く写ると思います。
文章のない見開きいっぱいの踊っている場面では、頭の中で動画として写っていることでしょう。
音声付きでね。
もう一つ、この本で感じることがあります。
マックスを、寝室へ放り込んだ母親の愛情です。
怒って放り込んだけれど、お母さんはいつでも見守っています。
マックスのことを大事に思っています。
だってお腹が空いているだろうにって食事を用意しているんですから。
だってマックスの描いた絵を壁に飾っているんですから。
マックスだって、お母さんが自分のことを好きなのを感じています。
だから、悪かったなって思うだろうし、ありがとうって気持ちも湧くんです。(表情に、文章に出ていますね。)
これら全部含めて、心で感じ取れる素晴らしい絵本だと思います。
ぜひ、子どもたちに出会ってほしい一冊です。
「かいじゅうたちのいるところ」
モーリス・センダック 作
じんぐうてるお 訳
冨山房 1,400円+税