11月のおすすめ絵本
子猫のぴっちにとって、周りのものはみな不思議で興味の対象です。
リゼットおばあさんが飼っている、動物たちの様子が面白くて、ぴっちはいろいろと真似してみたくなります。
にわとりや、やぎに。
でもその度に、ぴっちにとって嫌なことが起こるので、真似はやめになります。
次に出会ったあひるでは、自分には到底真似できないと思い知らされます。
助けられたぴっちが、次に出会ったのはうさぎたちでした。
うさぎたちに元気をもらったぴっちは、一緒にうさぎ小屋へ飛び込みます。
疲れてぐっすり眠ったぴっちが起きてみると、そこは、怖い外の夜の世界でした。
小さな鳴き声を聞きとったいぬのベロによって、リゼットおばあさんの知るところとなります。
さあそこからは、リゼットおばあさんをはじめ、動物たちが、どんなにぴっちのことを愛し、心配しているかがわかります。
そしてぴっちは気づきます。
ここが一番いいところ、だということを。
私たちは、経験してみて分かること(理解すること)がたくさんあります。
気づきを、こんな形(絵本)で表現するハンス・フィッシャーさんは素敵です。
「こねこのぴっち」
ハンス・フィッシャー 文-絵
石井桃子 訳
岩波書店 1,500円+税 4、5歳〜