原田圭悟のブログ vol.6 おもちゃは消費か投資か考える
消費型と投資型の行動
こんにちは、原田圭悟です。
ある本を読んでいるなかで、人間の行動は基本的に「消費型」と「投資型」に大きく分けられるという話がありました。消費型は活動そのものから満足が得られるもので、飲食や娯楽がその一例。投資型は現時点での活動の成果が蓄積され、後から満足が得られるもので、病気治療やスポーツのトレーニングがその一例だそうです。
今回は、この考えをつみきやのおもちゃに当てはめて考えてみようと思います。
例えば、大人が宴会用のパーティーゲームを買う場合、それは娯楽が目的であり消費型の行動と言えるでしょう。また、子どもの教科書代などは将来への準備であり、投資型の典型例と言えると思います。では、つみきやが主に販売しているおもちゃはどうでしょうか。
つみきやのおもちゃは消費型?投資型?
僕の結論から言うと、消費型と投資型が8対2くらいで混じっていると思います(数字は全く感覚的なものです)。なぜ、そのように考えているか。
まず、消費型か投資型かを0か100で分類できることは少なく、大抵のものはどちらの要素も少しは混じっているものだと思います。小さいうちからけん玉が大好きでひたすらけん玉をやり続けた結果、プロのけん玉プレーヤーになった人がいたとします。けん玉を好きでやっているのだから、けん玉という活動そのものから満足を得ている消費型の行動です。しかし、結果的に将来の職業を得るための大事な基礎訓練の時間も兼ねたものになった。その意味では、投資型の行動という側面も持ち合わせていたことになります。このように、消費型と投資型の行動は少しは混じったものになることは多く、どちらの要素が強いのか、という捉え方もできるのではないでしょうか。
そんな考えをもとに、つみきやで扱うおもちゃを考えてみます。つみきやのおもちゃは、知育玩具と称されることも多いです。知育玩具という言葉は投資型にかなり近そうなニュアンスがあります。僕は知育玩具という言葉でつみきやのおもちゃを表現することがあまり好きではないのですが、ここにその最大の理由があると言えます。知育玩具を買うという行為が、限りなく投資行為に近いように感じるのです。
投資行為が悪いわけではないのですが、つみきやで扱っているのはおもちゃです。「おもちゃで遊ぶ」という表現からは消費型のイメージが湧いてきます。つみきやでは、将来を見据えた何かの能力向上を期待する前に、現在のお子様が楽しく遊ぶことを願っておもちゃを選んでいます。
投資型の側面もある理由
とはいえ、知育玩具という言葉から連想されるように、つみきやのおもちゃに投資型の要素がないわけでもありません。この辺りが話を少しややこしくする部分でもあります。
つみきやのおもちゃに投資型の行為が20%くらいは含まれていると思う理由は、つみきやが考える「楽しい遊び」にあると思います。
つみきやは、僕の父がネフ社のリングリィリングの美しさに惚れたところから商売が始まっていますが、おもちゃ選びは①デザインの美しさ(父の主観)、②堅牢であること、③能動的に関われるものであることを基本としています。この中の③の能動性を重要視しているのは、子どもが自分自身の五感をフルに働かせることこそが楽しい行為だと考えているからです。
受動的な刺激ばかりの子どもに比べ、能動的に自らの体と頭を働かせる子どもの方が認知的な力も、非認知的な力も発達が促されることは事実だろうと思います。したがって、能動性を大事にすることは結果的に投資型の行動でもあると言えなくはないのです。
ただ、あくまで「結果的に」投資型の要素も加わったのであって、最初は単純に楽しんで「消費」しているのであり、この順番がとても大事だと思っています。プロのけん玉プレーヤーを例にあげましたが、けん玉を始めるその日から、プロになるんだと思っている子どもは珍しいと思います。最初は単純に消費型としての遊びとして出会い、のめり込むうちに結果的に投資型の要素が加わるのでしょう。
そんなわけで、つみきやのおもちゃは消費型と投資型が8対2くらいと表現しました。つみきやで、能動的な遊びを消費するお手伝いができたらいいなあと思っています。消費型を一義的に考えるマインドがなければ、投資型の要素は消えてしまいかねない気もしますしね。
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