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コラム【原田圭悟の「子育て、日々余裕なし 」vol.15】2024年1月

コラム【原田圭悟の「子育て、日々余裕なし 」vol.15】2024年1月

2024年もスタートしました。年末から家族が順番にインフルエンザにかかってしまい、娘たちは思わぬ長期休みで一年が始まりました。

来月5歳になる上の娘(かすみ)の最近のお気に入りは、トータスメダルです。神経衰弱と足し算を組み合わせたゲームで対象年齢としてはまだ早すぎるのですが、娘が見つけ出してきて遊ぶというので、一緒に遊んでいます。

このゲーム、1〜10までのカードを引いて、何枚引いてもいいが、足してピッタリ10になればもらえる。合計11以上になった時点で、その人の番はオワリ、というルールです。

5のカードなら5つ、というように、数字の分だけ点が打ってあります。ですので、お客さんに説明する時、足し算がおぼつかないお子さんでも、点を数えていけばゲームに参加できます、と伝えることもあります。

娘は文字は全く読めませんし、数字も数はかぞえるのですが、記号と数が一致しているかは怪しいところもあります。

私自身は、早期教育的な発想には基本否定的で、学校の勉強を先取りしてもあまり効果がないことに加え、遊びや生活の中での体験の方が今の娘にはより大切だと思っています。

一方で、興味を示すのであれば、興味を満たすことの方が重要だと思うので、できるのかなー、と思いつつ一緒に遊んでいます。

基本的に対象年齢より早い段階のおもちゃはあまりおすすめできないのは、ルール等があまり理解できず楽しめないからです。

とはいえ、親が一対一で遊ぶ場合、理解度に合わせて柔軟にルールを変更したり、今の理解できることで楽しめることを探すことができます。

この点は実際に子どもができて、一緒に遊ぶようになって、私自身の考えがだいぶ柔軟になったように思います。

さて、かすみの様子を見ていると、最初は一つずつの数字を引いても若干どの数か怪しかった数字もありましたがすぐに10まで覚えました。

そして、10のカードは単独で引いたらもらえるということを覚えたため、カードを並べる時に、まず5枚ある10のカードを全部自分で集め、自分が覚えておけそうなところに裏返しておいておくということをはじめました。

ルール的にはもちろんダメなのですが、他の子と遊ぶわけでもなく、好きなようにさせてみると、最初は自分で裏返した10の場所も忘れていたのに、ちょっとずつ覚えるようになります。続けていくと、9と1でも10になることを覚え、8と2で10になることも覚えてきます。

カードゲーム、ボードゲームを子どもと一緒にやるのは楽しいですが、なかなか子どもがルールを理解できないことや、何回も繰り返し遊ぶことは親にとってなかなか辛く感じる事もあります。

今回のゲームも、ルールからして遊びに付き合って「あげてる」感じが最初は強かったのですが、娘がどんどん、大袈裟にいうと算数の基礎みたいなものを獲得していく様子を間近に観察できるのはとても面白い瞬間でした。

そのうち、1と2を合わせると3になる事を覚え、7が出たときに1と2を引いて10にするといった応用もし始めました。まだまだ完璧に覚えていなくて行ったり来たりしながら、遊んでいます。

このゲームは引き算の要素が求められます。でも、足し算と引き算ってもともと不可分のものだっけ?といった疑問も私の中で生まれたり、どんなふうに数字の世界を理解していくのか、一度理解してしまった大人ではあまり深く考えないようなことを考えるきっかけをくれています。

子どもはすごく短い時間でいろんな事を覚えていきますが、その覚えていく過程にしっかり出会える事を実は意外少ないかもしれません。子どもとのルールのある遊びには、そんな成長を目の当たりにできる親としての喜びもあるように感じました。

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